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民話の里 遠野 [日々の日記]

 お盆の帰省で実家の岩手へ行っておりました。梅雨明け宣言のなかった東北地方ですが、立秋を過ぎてようやく夏の日差しが顔を出したそうです。それでも朝晩は肌寒いくらいに涼しく、東京へ帰ってくるのが大変辛く感じました…。

 お天気もいいし、遠出をしよう、ということで、岩手県の内陸部にある遠野へドライブに出掛けました[車(セダン)]
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(写真は千葉家住宅からの遠野風景)

 遠野は柳田國男が著わした「遠野物語」の地です。遠野に伝わる民話・伝承を記したもので、来年で出版100周年にあたるそうです。「日本民俗学の祖」とか「日本のグリム童話」とか言われています。
 
遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 柳田 国男
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 文庫

 そんな有名な場所なのですが、山々に囲まれた立地、アクセスの悪さから、ずっと田舎の山里の姿を保ってきた町です。
 盛岡から国道396号線を南下、最初に現れる遠野の名所は「千葉家住宅」です。
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南部曲がり家千葉家

岩手県(旧南部藩)は古くからの馬産地です。貴重な現金収入源だった馬を極寒から守るために造られたのが「曲り家」で、馬屋と母屋がL字型につながり一体となっています。千葉家は遠野の豪農で、食うにも困る人々を人夫として雇い、約10年掛けてこの曲り家を完成させたのだそうです。母屋には現在も千葉家の人々が住み、見学できるのは馬屋部分と農具が展示してある小屋部分です。

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 小屋を見学中にやってきたオニヤンマ?。すんごいでかくてちょっと怖かった[あせあせ(飛び散る汗)]。静かな時間が流れています。

 昼食をとりに車を走らせ、「伝承園」というところへ。食事処のほか、同じく文化財として保護されている南部曲り家の「旧菊地家住宅」、資料館や工芸体験ができる施設などがあります。  

伝承園

昼食は岩手ではポピュラーな「ひっつみ」を食べたのですが、写真を撮るのを失念…[ふらふら]。すいとんのようなもの、といえば分かるでしょうか。写真におさめたのはデザートの「けいらん」。鶏の卵のような形をしたお菓子で、米粉のもちのなかにあんこが入っています。割とあっさりしていて美味しかったです。
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 遠野に来たからには昔話を聞いて帰りたい、と思っていたところ、なんと伝承園にも語りべの方がいらして、お話を聞くことが出来るとのこと[exclamation] しかも、普段なら予約制なのにお盆の期間中は予約なしで聞けるというではないですか[目]。ということで、早速伝承園の施設の中へ。

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 曲り家の旧菊地家住宅の中で昔話が聞けます。靴を脱いで母屋の方へ上がると、既にたくさんの人達が[exclamation] いろり端に語りべのおばあちゃんがいらして、そこから二間にまたがって聴衆が腰を下ろしています。

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 おばあちゃんの向かい側に空き席があり、「特等席ですよ、どなたかおかけになりませんか?」と声がかかり、どなたも動きそうになかったので折角だから、と私と旦那さんがその特等席へ移りました。いろり端には決まった席があり、おばあちゃんのいるところが嫁さんの席(台所に近い)、私たちの座ったところが一家の家長の席だそうで[たらーっ(汗)]。本当に特等席に座ってしまったのでした。

 おばあちゃんは佐々木イセさんという、79歳になるおばあちゃん。人形に間違われたこともある、というくらい本当に小さいおばあちゃんです。聴衆からのリクエストがあって、「豆腐とこんにゃく」というお話から始まりました。お話はおばあちゃんの「昔、あったずものなぁ(昔あったとさ)…」で始まり、聴衆が一斉に言う「どんどはれ(めでたしめでたし)」で終わります。

 一話終わったところで、訛りがきつくないか、とおばあちゃんが聞いてくれました。私でも「?」と思う単語は時折おばあちゃんが標準語での言葉を話してくれたので理解できたのですが、東京生まれ・育ちの旦那さんが理解できたかは疑問でした。後から聞くと「雰囲気でなんとなく分かった」そうで、問題ないみたいです。

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 「五徳」の話、1本のわらを20本にする話、カッパの話、オシラ様の話、座敷童(ざしきわらし)の話、など語ってもらったのですが、イセおばあちゃんの語りはやわらかく、郷愁をさそうようなトーンなのです。

 馬を好きになった娘の悲しい物語である「オシラ様」のお話は、娘の将来を思えば馬を殺すしかなかった両親のやるせなさ、馬を失った娘の悲しみがしみじみと語られて、思わずうるうるきてしまいました。オシラ様は天に昇った娘と馬の化身で、「よい知らせ」という意味。天に昇った娘が夢で両親に蚕を飼うように知らせて、両親は豊かになったそうな。曲り家の中にはオシラ様を祀った部屋があり、別室では蚕も飼われています。現実と民話が混在しているようで、不思議な感覚でした。

 イセおばあちゃんには長生きしてもらいたい、というのが私と旦那さんの共通の願いです。

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 伝承園をでて、徒歩5分くらいの所に常堅寺というお寺があります。

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 この寺の近くの沢に「カッパ淵」というところがあり、カッパが現れる場所として知られています。
 その昔、この寺で火事があったときにカッパが寺の火を消してくれた、という言い伝えがあり、頭がくぼんでお皿のようになっている「カッパ狛犬」なるものが鎮守しています。

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 寺の奥へ進むとカッパ淵があります。前にも来たことはあったのですが、比べものにならないくらいたくさんの人が来ていてびっくりしてしまいました[あせあせ(飛び散る汗)]

カッパ淵

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 きゅうりでカッパを釣ろうとする人々…。まぁ、その、…お子様向けということで…[たらーっ(汗)]
 

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 ここでカッパを見かけた、という阿部じいさんという方がいらしたそうで、じいさんが見たカッパを再現した像が佇むように置かれていました。身長は60センチくらい、顔は赤かったそうです。子供を川に引き込んだり、馬を引き込んで内蔵を食べたり、と悪さをしている一方、「乳神」としても祀られていて、淵に立てられた祠にお乳のでないお母さんが今でもお参りにきているようです。 

 などと言った話を、淵で語っているおやじさんがいて場を和ませていました。首には遠野市が発行したという「カッパ捕獲許可証」を下げています。調べてみると、この許可証、遠野市観光協会が一枚¥200で販売しているんですね…[たらーっ(汗)]
 通販でも買えます→http://tonojikan.shop-pro.jp/?pid=11485471

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 常堅寺周辺はホップ畑になっていて、収穫を控えたホップがたわわに実っていました。

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 稲も穂をいっぱいにふくらませていて、実りの秋を迎えようとしています。収穫の頃には黄金色の絨毯のようになっているのでしょう。

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 夏を彩る花々…。里山を旅すると、農家の人達が植えた色とりどりの花が本当にキレイで、よく手入れがしてあって、この里と農業を大切にする気持ちが伝わってきます。

 もっとゆっくり歩きたかったのですが、そうもいかず…。いつか泊まりがけで訪ねてみたいな~、と思いました。

 帰りは国道283号線を通って。東北自動車道の分岐、釜石自動車道の東和ICを目指し、盛岡へ戻ります[車(セダン)]

 途中通過する宮守村の道の駅近くには通称「めがね橋」という、JR釜石線の橋梁があります。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のモチーフになった、といわれています。

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めがね橋

新編銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

  • 作者: 宮沢 賢治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/06
  • メディア: 文庫


 生まれた場所でも育った場所でもないのに、何故か懐かしさを感じる遠野でした。

 遠野市観光協会URLhttp://www.tonojikan.jp/


 次回は盛岡でお泊まりした温泉宿をご紹介します。


タグ:岩手 遠野
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kazn

こどもの頃、おばあちゃんに昔話をせがんでいたのを思いだしました。
なつかしいなぁ。あの頃。
by kazn (2009-08-20 20:08) 

pawpaw

kaznさん、
昔話って妙にひきこまれるものがあるんですよね。
おばあちゃんが聞かせてくれるとなんだか真実味があったりして。遠野はそういう昔話の世界が廃れていない場所だと思いました。癒されます。
by pawpaw (2009-08-20 22:18) 

しげ

おつかれさま・
おばあちゃんの話 ぜひ聞きに行きたく
なりました。その地に伝わる話など・・・
ホントに伝統・伝説で 勉強になるし
その地の 土地柄・人柄・・・浮かんできます
^^。 今の世の中で 不足している部分ですね! 
by しげ (2009-08-21 07:25) 

pawpaw

しげさん、
おばあちゃんの昔話は本当によかったです!
心があったかくなる感じがしました。
お話に登場する動物、自然、情景も遠野をよく反映していると思いました。
そういう潤いのようなものが不足してるのかなぁ。
by pawpaw (2009-08-21 22:10) 

ばん

夏の甲子園、花巻東高等学校おめでとうございます。
僕は対戦相手の「明豊」が故郷ですが、セオリー通りこれからは岩手~~~応援します。是非、深紅の優勝旗を持って帰ってください。
宮古に何回か仕事で行ってますのであまり他人事とは思っていません。
by ばん (2009-08-21 23:29) 

pawpaw

ばんさん、
花東へのメッセージありがとうございます(^^)。
明豊とは逆転の逆転、というすごいゲームだったみたいですね。
注目されちゃってやりにくいだろうーなー、可哀想…と思っていたのに、どっこい花東の選手はのびのびプレーしていて、岩手県民も変わったなぁ、と実感しておりました(^^;。
「白河の関越え」のジンクスがありますから、優勝は難しいと思うのですが、力を出し尽くしてほしいです。ガンバレ~!

宮古は私の母の実家があり、私が生まれた場所でもあります。宮古にご縁があるとは嬉しい限り。応援よろしくお願いします!
by pawpaw (2009-08-22 18:07) 

くろた

遠野。国内で行ってみたい地の一つです。
都会に住んでるとどうしても
こういう田舎風情にものすごく
憧れてしまいます。
by くろた (2009-08-24 13:37) 

pawpaw

くろたさん、
遠野に興味をお持ちのご様子、ありがとうございます。
私も、今回遠野へ行って、空の高さや花々、虫たちから、季節の移ろいを感じました。都会にいるとなかなか感じにくいですね。たまには広々としたところに行かないとダメだなぁー、と思いました。
なかなか行きにくいところですが、是非一度遠野へお越しになってみてください。
by pawpaw (2009-08-24 20:21) 

キャシー

黄色と黒のしましまであればオニヤンマかと…
by キャシー (2009-08-29 08:30) 

pawpaw

キャシーさん、
そっか、ということはオニヤンマだったのかな。
すっごい大きかったです。ナウシカに出てくる虫を思い出してしまいました…(^^;。
by pawpaw (2009-08-30 17:35) 

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